左側の肩・背中・腰の痛みがなかなか取れない方へ|筋肉だけではない「膵臓と関連痛」の話

こんにちは!
サンライフ 整体&トレーニング代表の藤野真人です。
◆プロフィール◆

「肩を揉んでもらうと、そのときは楽になる。でも数日するとまた痛くなる」
「腰をストレッチしているのに、なかなかスッキリしない」
「背中の奥の方に、なんとも言えない重さや痛みを感じる」

そんな経験はありませんか?

身体に痛みがあると、私たちはどうしても「痛い場所に原因がある」と考えます。

肩が痛ければ肩の筋肉。
腰が痛ければ腰の筋肉や背骨。

もちろん実際に、筋肉や関節、神経などが痛みに関係しているケースは非常に多くあります。

しかし、人間の身体はそれほど単純ではありません。

痛みを考えるときには、筋肉や関節だけでなく、内臓から離れた場所に痛みを感じる「関連痛」という仕組みも知っておく必要があります。

今回は、その中でもあまり知られていない「膵臓(すいぞう)」について少し深くお話しします。

「腰痛なのに膵臓?」
「首や肩と膵臓に何の関係があるの?」

と思われるかもしれません。
少し専門的な内容もありますが、できるだけ分かりやすく順番に説明していきます。

そもそも「膵臓」ってどんな臓器?

膵臓は、胃の後ろ側にある細長い臓器です。

身体の表面から触れるような場所ではなく、お腹のかなり奥深いところにあります。

膵臓には、大きく分けて2つの重要な仕事があります。

①消化する

一つ目は、食べたものを消化すること。

膵臓からは「膵液」が分泌されます。

その中には、

  • アミラーゼ:炭水化物を消化する
  • リパーゼ:脂質を消化する
  • プロテアーゼ:タンパク質を消化する

といった消化に必要な酵素が含まれています。

②血糖値の調整

もう一つが、血糖値を調節すること。

膵臓からは「インスリン」や「グルカゴン」といったホルモンが分泌され、血液中のブドウ糖を適切な範囲に保つために働いています。

つまり膵臓は、「消化」と「血糖調節」という、私たちが毎日行っている「食べる」という行為と非常に深く関わる臓器なのです。

甘いものが多い食生活と膵臓

ここで少し、普段の食生活を思い出してみてください。

「甘いものが大好き」
「毎日お菓子を食べる」
「ジュースや甘いコーヒーをよく飲む」
「食後には必ずデザート」

という方もいらっしゃると思います。

糖質を摂取して血糖値が上昇すると、膵臓のβ細胞からインスリンが分泌されます。

これは病的なことではなく、人間の身体に備わっている正常な反応で、正常な範囲であれば問題はありません。

ただ一方で、甘い飲み物やお菓子などを日常的に多く摂っている方の場合、膵臓への負担は大きくなるのは想像できますよね。

だって必要以上に働き続けてくれているわけですから。

なので、もし甘いものを食べ過ぎているかな?と思ったら、一度食事を含めた生活全体を見ることも大切だと考えています。

「何を食べているか?」は、身体を見るうえで無視できない情報の一つだからです。

なぜ「内臓」が背中や肩の痛みと関係するの?

ここで知っていただきたいのが、

「関連痛」

という仕組みです。

関連痛とは簡単にいうと、原因となっている場所とは違うところに痛みを感じる現象です。

内臓から脊髄へ入ってくる感覚情報と、皮膚や筋肉などから入ってくる感覚情報には、神経系の中で重なり合う部分があります。

そのため脳が痛みの発生源を正確に特定できず、内臓から来た刺激を、身体の別の場所から来た痛みのように感じることがあります。

だから身体を見るときには、「痛い場所=必ず原因がある場所」とは限らないのです。

膵臓の問題では「背中が痛む」ことがある

膵臓と痛みの関係で比較的よく知られているのが、背中へ広がる痛みです。

たとえば膵炎では、上腹部の痛みが背中へ放散することがあります。

急性膵炎では、上腹部から始まった痛みが背中へ広がる場合があり、慢性膵炎でも上腹部痛や背部への放散痛がみられることがあります。

これは、膵臓が身体のどこにあるのかを知ると、もう少し理解しやすくなります。

膵臓は、実は背骨にかなり近い

身体を横から想像してみてください。

お腹の前側に膵臓があるわけではありません。

膵臓は胃の後ろ側にあり、腹膜の後方に位置する「後腹膜臓器」です。

さらに背骨との位置関係を見ると、膵臓はおおむね第1〜第2腰椎(L1〜L2)付近を横切るように位置しています。

「L1」「L2」と言われても難しいですよね。

簡単に言えば、腰の骨の比較的上の方です。

そして膵臓は一本の細長い臓器ですが、場所によって名前が違います。

右側の十二指腸に包まれるように存在する部分を「膵頭部」、中央付近を「膵体部」、そこから左側の脾臓方向へ伸びる部分を「膵尾部」と呼びます。

このように膵臓は、胃の後ろ側から背骨の前方にかけて、身体の深いところに位置しています。

だからこそ、背中や腰に痛みを感じたときに、筋肉や関節だけでは説明できない痛みが存在するということは覚えておいていただきたいのです。

ただし、L1〜L2付近が痛いからといって膵臓に問題がある、という意味ではありません。

あくまで身体の位置関係を理解するための解剖学的な情報です。

では「左側」の痛みはどう考える?

ここからもう少し専門的になります。

身体には「横隔膜(おうかくまく)」という大きな呼吸筋があります。

胸とお腹の境界付近にドーム状に存在していて、

息を吸うと横隔膜が下がり、
息を吐くと横隔膜が上がる。

この動きを繰り返すことで呼吸をしています。

そして横隔膜には、横隔神経という神経が関係しています。

この横隔神経は、首のあたりにあるC3〜C5(頸椎の番号)という頸髄の領域から出ています。

ここが面白いところなのですが、横隔膜周辺の組織が刺激されたとき、その刺激を肩周辺の痛みとして感じることがあります。

これも関連痛の一つです。

その原因としては、横隔膜と膵臓(正確には胆嚢/胃と関連しますが)は非常に近い関係性があり、位置的に左側の横隔神経を刺激してしまうからです。

どちらかが悪さをすると、お互いに影響を与え合うことも・・・。

ただし、膵臓から左横隔神経を経由して左肩・左腕へ直接痛みが出る、という単純な経路が人間で確立されているわけではありません。

ここは「身体は神経学的にも複雑につながっている」と理解していただくのが適切です。

膵臓だけを見るのではなく「周り」も見る

もう一つ重要なのが、膵臓を単独で考えないことです。

膵臓のすぐ近くには、胃、十二指腸、胆道系、肝臓、脾臓など、さまざまな臓器や組織があります。

人間の身体は、教科書のイラストのように、それぞれの臓器が完全に独立して置かれているわけではありません。

周囲の組織、神経、血管、膜などと複雑な位置関係を持っています。

膵臓が悪い=痛みと簡略的に考えてはいけませんよ。

私が大切にしているのが「横隔膜の動き」

さて、膵臓と関連が深いとわかった横隔膜、ここの動きは非常に大切になります。

横隔膜の代表的な働きと言えば、呼吸。

つまり私たちは1日の中で、何度も何度も横隔膜を動かしています。

そのため身体を見る際には、

「しっかり息を吸えているか」
「吐くときに肋骨が動いているか」
「胸郭が硬くなっていないか」
「背骨が動いているか」

といった呼吸と胸郭の機能も確認することがあります。

横隔膜が硬いと、膵臓の動きへも影響が出る可能性が0ではありませんので、横隔膜の動きを出すことも大切になります。

自分でできること①「甘いものとの付き合い方」を見直す

では、日常生活では何ができるでしょうか。

まずは食事です。

甘いものをゼロにする必要はありません。

ですが、

「気づいたら毎日お菓子を食べている」
「水よりジュースを飲んでいる」
「朝は菓子パン、昼食後にはデザート、夜にもお菓子」

という生活になっているなら、一度見直してみてもいいでしょう。

甘い飲み物を水やお茶に変える。
毎日食べていたお菓子を少し減らす。
加工されたものだけではなく、魚・肉・卵・野菜・果物・豆類など、いろいろな食品から栄養を摂る。

ビタミンやミネラルについても、まずは特定のサプリメントに頼るのではなく、食事全体のバランスを整えることが基本です。

身体は一つの栄養素だけで動いているわけではありません。

自分でできること②「呼吸」を見直してみる

もう一つ簡単にできるのが先程お伝えした横隔膜の動きである呼吸です。

簡単な例としては、仰向けになって、膝を立ててみてください。

両手を左右の肋骨に当てます。

鼻からゆっくり息を吸いながら、お腹だけを膨らませるのではなく、左右の肋骨が外側へ広がっていく感覚を確認してみましょう。

そして鼻からゆっくり息を吐きながら、肋骨が内側へ戻っていくのを感じます。

無理に大きく呼吸する必要はありません。

さらに、胸を軽く開く運動や胸椎を回旋させる運動などを組み合わせることで、胸郭全体の動きを作っていくこともできます。

「何をしても痛みが戻る」という方ほど、痛い場所だけを見ない

今回、膵臓をテーマにしたのには理由があります。

整体やトレーニングをしていると、

「肩を揉んでもらっているけれど、また痛くなる」
「腰を伸ばしているけれど、ずっと繰り返している」

という方に出会います。

もちろん、それだけで内臓が原因だとは判断できません。

しかし、だからといって毎回同じ場所だけを揉み続ければいいのかというと、それも違うと思っています。

身体の痛みには、筋肉、関節、神経、姿勢、動作、筋力、睡眠、ストレス、活動量、そして内臓や食生活など、さまざまな要素が関係します。

一つの原因だけで説明できない痛みも少なくありません。

だから私は、「どこが痛いですか?」だけではなく、「普段どんな生活をしていますか?」まで見る。

これを大切にしています。

「腰が痛いのに、食事?」と思うかもしれません

今回一番お伝えしたかったのは、ここです。

腰痛なら腰。
肩こりなら肩。
背中が痛ければ背中。

もちろん、まずそこを見ることは大切です。

でも人間の身体は、筋肉だけでできているわけではありません。

毎日食べて、消化して、吸収して、血糖を調節して、呼吸して、眠って、身体を動かしています。

全部が一つの身体の中で起こっています。

だから、「普段何を食べているか」も、身体の状態を考えるための一つの情報です。

今回取り上げた膵臓以外にも、胃や肝臓、胆道系、腸など、身体の痛みを考えるうえで知っておきたい臓器があります。

このあたりについては、また一つずつ詳しくお伝えしていきたいと思います。

「痛いところだけを何とかする」のではなく、なぜ繰り返しているのかを、身体全体から考えてみる。

長く続く痛みに悩んでいる方に、そんな視点も持っていただけたらと思います。

ただし、こんな痛みは整体より先に医療機関へ

最後に、とても大切なことです。

膵臓の病気による痛みを、セルフケアや整体で判断することはできません。

特に、強い上腹部痛、背中へ広がる強い痛み、吐き気・嘔吐、発熱、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、原因不明の体重減少、これまで経験したことのない痛み

などがある場合は、自己判断でストレッチなどを続けず、医療機関を受診してください。

膵炎では上腹部から背中へ広がる痛みのほか、吐き気・嘔吐、発熱などがみられることがあり、重症の場合には早急な医療対応が必要です。

「筋肉の痛みなのか、内臓からの症状なのか分からない」

そんなときほど、無理に自己判断しないことが大切です。

身体を「一部分」ではなく「全体」から考える

サンライフ整体&トレーニングでは、痛いところだけを見るのではなく、姿勢・動作・関節の動き・筋力・呼吸などを確認しながら、その方の生活背景まで含めて身体を考えています。

そして必要な場合には、医療機関での検査・受診が優先されます。

「年齢のせいだから仕方ない」
「ずっと付き合っていくしかない」

と最初から諦めるのではなく、まずは今の身体を知るところから始めてみてください。

腰痛、肩の痛み、背中の痛みなど、長く続く身体のお悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

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